商業簿記合格テキスト15【余剰金の配当と処分】<前半>

利益余剰金の配当と処分

利益余剰金の配当 =株主配当金:社外流出を伴う
利益余剰金の処分 =利益準備金、任意積立金:社外流出を伴わない

利益準備金:会社法により積み立てが強制される利益の保留額

任意積立金
新築積立金:新築、増設、購入のため
配当平均積立金:配当水準を維持するため
欠損填補積立金:将来の損失のため
別途積立金:不特定の資金需要のため

会計処理
決算の時:純利益の振り替え
純利益は損益勘定で計算され、繰越利益余剰金(純資産)に振り替えられる

株主総会の時:利益余剰金の配当と処分
社外流出 株主への配当金:未払配当金(負債)
社内留保 利益準備金の積立:利益準備金(純資産)
任意積立 新築積立金など(純資産)
次回の余剰金処分までの繰越額:繰越利益余剰金のまま残しておく

株主配当を支払った時
(未払配当金 ××|当座預金 ××)

決算の時(2回目):純利益の振り替え
純利益は損益勘定で計算され、繰越利益余剰金(純資産)に振り替えられる
前期の繰越利益余剰金と合算され、配当、処分をおこなう。

利益余剰金の配当における利益準備金の積立額

①配当金の10分の1を積み立てなくてはならない
②利益準備金の積み立ては資本準備金の額と合わせて資本金の4分の1に達するまでとする。

利益準備金の積立額は以下の通り
①株主配当金 × 0.1
②資本金 × 0.25 - (資本準備金+利益準備金)
利益準備金 =「①と②の小さい方」

その他資本余剰金による配当

配当は利益余剰金から支払われるべきであるが、その他の資本余剰金からの支払いが認められている。
その他の資本余剰金から支払われる場合、資本準備金を積み立てる

当期純損失が計算された場合

当期純損失の振り替え
・繰越利益余剰金の借方へ振り替える
・最終的に借方残高(マイナス)になった場合、株主総会で処理を決める
・任意積立金を取り崩すことで補填が出来る

株主資本の計数の変動

株主資本の中の科目を振り替えることにより、「資本金」、「準備金」、「余剰金」の内訳を変更することをいう。

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Posted by fumino